ようやく手に入った

 何がって五十嵐大介の『はなしっぱなし(上)』(ISBN:4309728405)だ。発売を失念していた私が悪いのだが、この手のマンガにだけは強い筈の青山ブックセンター新宿ルミネ店では、既に売り切れたのか先週の段階で影も形もなく、先週のコミティアジュンク堂出張販売コーナーにもなし(知人は購入できていたのでこちらも売り切れだった模様)、頼みのAmazonはじめオンライン書店でも増刷待ちなのか発送まで2週間程かかる状態と、正直途方に暮れていたのだが、結局芳林堂書店高田馬場店に在庫があることをWebで確認し、注文を入れて店頭で受け取ってきたというわけだ*1。芳林堂高田馬場店のマンガ売り場は、以前と比べて面積は狭くなったものの、非常に充実していて個人的には評価が高い。『屈辱er大河原上(1)』(ISBN:4106030586)を手に入れたのもここだし、今回もまた助けられてしまった。
 以前から思っていたのだが、新宿には使えるマンガ専門書店(あるいは使えるマンガ売り場がある書店)がない。十年以上前に大学入学の為に上京してきた時、南口のまんがの森に足を踏み入れて「ここは夢のような本屋だ」と思ったのも今は昔、今や旧まんがの森ビルはパチンコの景品交換所と成り果て*2新宿書店とらのあなに代表されるマニア向け書店も、新刊の早売りやエロマンガの充実ぶりはともかくとして一般向けマンガはやはり店舗の面積のためか今ひとつ、紀伊國屋は図体ばっかりでかくて中身はさっぱりと、散々である。中でもがっかりしたのは鳴り物入りでオープンかと思われた紀伊國屋Forestで、店舗自体は結構広いはずなのにスカスカの棚にそこらの街のちょっとマンガが多い本屋にも負けそうな無難な品揃えで、それはそれは凄い期待外れであった。これだったら、売り場面積は小さくても、これでもかとばかり特定の客層のみに向けたマンガを揃えた青山ブックセンター新宿ルミネ店の方が、客の好き嫌いははっきり分かれるだろうけど数段面白い棚だ。
 私の知る限りでは都内随一と思われる池袋とらのあなレベルとは言わないが、オープン当時の新宿とらのあな、もしくは芳林堂高田馬場店のマンガ売り場クラスのマンガ専門書店が新宿のどこかにできてくれないものかなあ。
 あ、実は紀伊國屋に『はなしっぱなし』の在庫があったことが今Webで検索したら判明。端から眼中になくて探しにも行かなかったが、どうやら今回は紀伊國屋にも行っておくべきだったらしい。なんだかオチがついてしまった…

*1:他の書店がやっているWeb通販と違い、取次がやっているe-honとか本やタウンみたいに店頭受け取りか宅配が選べるのがポイント高い。店頭で受け取れば送料分お得だが、よく考えてみると高田馬場まで行くついででもない限り、交通費がかかっているのでどっちもどっちなのかも

*2:マンガ専門書店といえば高岡かまんがの森か、と言われた時代もあるにはあったが、新宿店閉店前の数年に関して言えば、似たような店が他にも多数出来た中で、品揃えの量も個性も今ひとつ中途半端なまんがの森は、私も滅多に行かなくなっていたし、既にその役割は終えていたのだろう