恋風 最終回『陽炎』

原作単行本は人に勧められて1巻だけ読んでみて、どうにも生理的に受け付けなくて以降は手をつけていなかったのだが、アニメの方はなぜかほとんど全部見てしまった。なんでだかは自分でもよくわからない。
で、この最終回のラスト、最初は「ひでえ終わり方だな」と思ったのだが、よく考えてみると現在進行中の原作に先んじてたったの1クールでアニメを終わらせなければならない、という条件下での苦渋の決断、ってことなんだろうな、とも見え、これはこれで面白いような気もしてきた。
二人が再会した遊園地に真夜中忍び込んで(しかもその遊園地は取り壊しが決まっている)、乗り込んだ観覧車を動けと念じるところは、二人の関係の閉塞性とか希望のなさとかを暗示していて、このままどちらかに「もう終わりにしよう」みたいな台詞を吐かせればいいんじゃないか、とも考えたのだが、やっぱりそんな明確な形で物語の終わりを宣言することは原作の手前出来るわけがないから、見る者の見方(あるいは願望と言った方が良いかも)によっては、二人が閉塞したままの世界に棲み続ける選択をしたようにも、近い将来の破滅(=心中)を暗示しているようにもとれる曖昧な終わらせ方にせざるを得なかった、というところなんだろう。多分。
ちなみに私には、恋愛ごっこの終わりを宣言して去る七夏に対し、追いすがるダメ人間耕四郎、という構図に見えました。