妙な看板

 甲州街道を調布から府中に向けて自転車で走っていると、旧東京スタジアムの手前あたりで道路の左手に「アメリカン動物病院」という看板が見える。冗談だと思われるかもしれないので証拠。院長は『犬のしつけとトレーニング』という本を監修したりしている人らしいのだが、「アメリカン」と「動物病院」という、普通人の感覚ではあまり結びつかない語句の組み合わせから、鼻のでかい獣医が「この卑しい家畜め!!動物め!!動物め!!」などとワイルド(違う)な治療を施すという田丸浩史的な想像力を、看板の前を通る度にかき立てられてしまう。んなわけないのだが。
 何故に「アメリカン」なのか、果たして「アメリカン」は「動物」にかかるのか「病院」にかかるのか、などと思いを巡らしながらハローワーク府中へ自転車をこぎ進める30歳無職の春。…ダメだ。