親不知を抜いた

 これで3本目。昨年の4月下旬に虫歯が腫れて(正確には以前治療した奥歯が内側から駄目になって化膿していたらしい)から週一回ペースで歯医者に通いはじめてはや10ヶ月。前に治療した歯を全面的に処置し直したりしていたのでかなり時間がかかったが、そろそろ終わりが近づいてきたようだ。
 歯医者が好き、という人はあまりいないと思うが、私もその例に漏れず、はっきり言って歯医者は嫌いだ。あの歯を削る音が嫌だ、とか理由はいろいろあるけれど、私の場合小学生の頃に通っていた歯医者が今考えても腹が立つくらいヤブだったことが一番大きいような気がする。私が小学生だった頃と言えば今から20年程前なんだから、当時の技術と現在の技術を比べるのは意味がないけれども、周りの連中もあそこはヤブだって言ってたし(小学生に言われるんだからなあ)、多分当時の水準としても相当ヤブだったんだろう。加えて、ヤブであるということとは別に、患者に対する態度が我慢できない爺さんだった。痛みに泣き叫ぶ子供に、無理矢理木切れを噛ませて問答無用で歯を削るんだもんなあ。自分の腕に問題があるんじゃなくて、泣き出す子供の方に根性と忍耐が足りないんだとでも考えていたんだろうか。そんなヤブ医者でも乗っていた車はベンツだったんだから、それを思い出すと余計に腹立たしかったりする。
 そんで今日抜いた親不知の話だ。ここまでの2本は歯が全部顔を出していたので、普通に麻酔して抜くだけだったんだが、今回は歯が半分くらい歯茎に埋まっていたので、その部分を切開してから処置するという、ちょっとした手術になった(もっとも麻酔から全部含めても一時間程度ではあるが)。考えてみたら自分の身体にメスが入るのは、これが初めてだったよ。つうか先生、人の歯をまさに抜こうとしている時に「折れるなよ〜」とかつぶやくの止めてください。怖いです(幸い折れずに抜けたが)。
 あ、これは治療とは全然関係ないのだが、子供の頃、歯が生え替わりで抜けた時、上の歯は縁の下に、下の歯は屋根に投げて「鼠の歯より早く生えろ」とかまじないしてたことがあったな、というのを不意に思い出した。こういう風習ってのはどこの地方にもあるものなんだろうか。