綿矢りさ『蹴りたい背中』は「容姿に恵まれた人が書ける小説じゃない」

 以下は記事のタイトルにも使われている大森望のコメントなんだが、

「とてもとても、容姿に恵まれた人が書ける小説じゃないよ(笑)。(作品は)すごく性格が悪い感じで末頼もしい。」

 これって褒めてるようで全然褒めてないような気がするんだが、どうよ?裏を返せば「容姿に恵まれていない人だったらこのくらい書いても不思議じゃない」と言えなくもないし、「末頼もしい」ってことは「今は別に高く評価しない」、ともとれるんだから。
 もちろん、この発言がどういう文脈で語られたのかってのは、対談全体を読んでみないとわからないので、実は本当に高く評価しているのかもしれないのだが、文壇として綿矢りさをスターにしたいって思惑があって、やっぱり文壇の内側にいる人間としてはその思惑には逆らえないのかな、とか、大森望って確か週刊文春に書評コラム持ってたよな、とか思ったり思わなかったり。全く下衆の勘繰りではあるけどね。
 ちなみに私自身どう思っているかと言えば、何とかして綿矢りさやら金原ひとみやらをスターに祭り上げようとする思惑は心の底からくだらないと思うけど、作品自体については読んでないから評価のしようがないのです。いやマジで。